どうも、海馬(@Transtier)です。
以前に減点法と加点法についての記事を書きました。僕はこれまでの人生を通じ、減点法で生きていたと自覚しています。人や自分の行動に対し、マイナス面を探しては減点していくという生き方です。
人間関係においてはどうしても相手の嫌なところが目につくようになり、長期にわたる交友関係を築くことが難しいと感じていました。自分の行動においても、理想の行動を達成できなければすぐに無駄だと思い、途中でやめてしまうことが多かったです。
そんな僕ですが、最近は減点法よりも加点法で物事を考えられるようになってきました。今回はまさに減点法と加点法と似た考え方でもある、完璧主義と最善主義について考えていきたいと思います。
減点法と加点法については、以下の記事で説明しているので、ぜひ読んでみてください。
目次
完璧主義について
完璧主義者の特徴とは
文字面から想像がつきますが、完璧主義とは何事も完璧でないと気が済まないという心理状態を指します。高い目標基準を設定し、自ら努力を重ね、自分に厳しく、さらには他人からの評価まで気にするというような人を完璧主義者と呼びますね。
自分が高い目標基準を目指すだけならいいですが、やはり他人にも同様に厳しい基準を求めたり、結果が伴わない時に心が折れて精神的に不安定になってしまう傾向もあります。なぜなら得られた結果というのは、自分が決めた完璧な結果か、それ以外かという二択になってしまうからですね。
完璧主義者の特徴としては、次のようなものが挙げられます。
- 理想が高い
- 責任感が強い
- 他者からの承認欲求が強い
- 失敗を恐れる
完璧主義者は常に目標を達成しないと満足できないので、プロセスではなく結果重視の考え方になってしまいがちです。
完璧主義者のメリット
僕が見てきた同僚や上司で完璧主義者と思われる人のメリットは、次のような点です。
- 細かいところまで妥協せずチェックする
- ミスを徹底的に排除する
- 納得いくまで続ける
やはり完璧主義者の仕事ぶりは細かく、質が高いことが多かったです。まれに、周りを無視した独りよがりの完璧主義者というのもいました。
しかし、完璧主義者の特徴として挙げられているように、他者からの承認を非常に大切にしている人が多いので、他社からの評価を大事にし、細やかな仕事をこなしている人が多かったですね。
完璧主義者のデメリット
一方で、僕が感じたデメリットというのもあります。
- 納得するまで次に進めない
- 他人にも完璧さを求める
- 0か100かの思考になりやすい
新規業務を立ち上げる際などは、完璧ではなく6割くらいの精度で開始するということが往々にしてあります。完璧主義者の場合、自分が認める精度以外は失敗だと考えがちなので、納得するまで次に進めないといった傾向がありました。
また、他人にも自分と同様に完璧さを求めるので、完璧主義な上司の下で働くのは鍛えられますが、精神的には厳しいこともありますよね。それは完璧主義者本人も同様で、自分が完璧と認める結果以外は認めません。
すなわち、0か100かの思考に陥りやすいということが挙げられます。
外部環境などコントロール不可な要素もある
結果というのは自らの努力によるものだけで決定されるのではなく、外部環境によっても大きく左右されます。自分がコントロールできないこと、例えば2019年に直撃した台風や2020年の新型コロナウイルスの影響などもありますよね。
そうしたことも含めて結果を求めるというのは、やはり精神的にもつらくなってしまうことが多いかと思います。
最善主義について
最善主義者の特徴とは
一方で、僕が目指しているのが最善主義者です。最善主義者というのは、自分が今の環境で目標に向かって最善を尽くせているかということを意識して行動する考え方です。
- 高い目標を設定するが、結果だけに囚われない
- 自分でコントロールできる要素に集中する
- 成長を実感することに喜びを見出す
まだまだ他にもありますが、僕が特に意識をしていることが上に挙げたようなことですね。完璧主義者同様に高い目標を掲げはしますが、結果だけにこだわることはしません。なぜなら、外部環境というのは自分でコントロールできない要素なので、必ずしも求める結果につながらないことを理解したからです。
停電した環境、外出できない状況など、どんなに自分が変えたくても変えられない状況はやってきます。そんな時、その環境下で最善を尽くせているかを意識しています。
最善主義者のメリット
最善主義者のメリットとしては、加点法での考え方に基づいて生きられることがあげられると思います。結果だけにこだわらないので、成長できるような努力ができたことに満足することができますよね。
- 外部環境に振り回されることがない
- 自己承認で生きられる
- 挫折や失敗も成長の糧とできる
他者から承認されることだけを欲するのではなく、自己承認によって自分なりの喜びを見つけられるのが大きな原動力だと感じています。
また、完璧主義者は成功以外はすべて失敗となりますが、最善主義者は最善を尽くせたかどうかを重要視するので、挫折や失敗も成長の糧とすることができます。
最善主義者のデメリット
個人的にはとても生きやすいと考えている最善主義者ですが、やはりデメリットもあります。
- 自分に甘くなる可能性がある
- 言い訳が簡単にできてしまう
- 独りよがりになってしまう
外部環境に関する要因を排除してプロセスに重きを置いた考え方ですが、なんでも外部環境のせいにするというように自分に甘くなってしまう可能性があります。なぜなら、外部環境のせいで結果が出なくても仕方がなかったと開き直って言い訳することが簡単だからですね。
また、他者は結果のみで判断をするので、独りよがりの行動になってしまうことも懸念されます。
▼他者承認と自己承認に関しての話は以下の記事に詳しく書いていますのであわせてどうぞ!
関連記事:【自己承認と他者承認】他人と比べて落ち込まないこと|承認欲求の螺旋から降りてみよう
理想主義的な完璧主義者と現実主義的な最善主義者の
完璧主義者は理想主義的
完璧主義者は常にゴールまでの最短の道を描く理想主義的であると言えます。考えてみれば当たり前ですが、ゴールまでの完璧な道というのは直線ですよね。
そうした理想的な道を描けるというのは、完璧主義者の能力であると考えています。やはり挫折や失敗をせず、理想的な道を進みたいと思うのが普通です。しかし、実際にはなかなかうまくいかないことも多いでしょう。
そうした時に、最善主義者はゴールまでの道を異なった見方で考えます。
最善主義者は現実主義的
カーナビで目的地までのルート検索をする時、直線距離ではなく走行距離で計算されます。直線上では30kmなのに、走行距離だと50kmというように遠回りをしなければならない時もあります。
国道の大きな道は、渋滞するので迂回をした方が結果として早く着くかもしれません。選んだ道が工事中で、遠回りしなければならないかもしれません。
そうした事態になっても、常にゴールを目指して進んでいこうとする最善主義者は、ゴールまでの道を現実主義的に考えられる人ということができると思います。
イチロー選手も最善主義者
日本でもメジャーでも大活躍し、偉大な記録をいくつも達成したイチロー選手ですが、最善主義者的な考え方を持っていたようです。イチロー選手の言葉で、次のようなものがありました。
「近道はもちろんしたいです。簡単にできたら楽なんですけど、でもそんなことは、一流になるためにはもちろん不可能なことですよね。一番の近道は、遠回りすることだっていう考え方を、今は心に持ってやってるんです」
まさに「急がば回れ」ということわざを彷彿とさせるイチロー選手の言葉ですよね。イチロー選手クラスでも、ゴールまでは遠回りをしていたわけです。僕も一歩一歩、喜びを感じながら進んでいきたいと思いました。
まとめ
以上、完璧主義者と理想主義者の考え方について書いてきました。
僕もかつては減点法で物事を考え、完璧主義のように人生を見ていたことがありました。しかし、そういった生き方は辛く、またそこまで完璧に徹することもできませんでした。
しかし、今は毎日少しでも自分が努力できることを積み上げていくことで、一歩ずつでもゴールに近づいていくという考え方に基づいて生きています。
とても楽ですし、結果に左右されず、自分の成長を感じながら生きられるのでとても人生が楽しくなりました。完璧主義的に考えてしまう傾向がある人も、最善主義という生き方があるということも知って頂ければ幸いです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。
これからも学んだことや役に立つことを書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、また。
コメントを残す