どうも、海馬(@Transtier)です。
アンガーマネジメントにおいては、3つのコントロールが必要だと学びました。3つとは、衝動・思考・行動のことで、これらをコントロールすることにより、怒りを上手にコントロールすることができるようになるそうです。
今回はその中で、思考をコントロールすることの大切さを学んでいきたいと思います。なぜなら、僕たちが持っている考え方によって、何に対して怒りを感じるのかが変わってくるからです。
思考の中でも、怒りの真の原因とも言えるのが「べき思考」です。これは僕たちが生きている中で作り上げた、「こうあるべき」という考え方ですね。
今回は「べき思考」が持つ4つの特徴について調べ、自分がどのような「べき思考」を持っているのかを知り、そして思考をコントロールする方法を学びたいと思います。
▼3つのコントロールに関しての話は以下の記事に詳しく書いていますのであわせてどうぞ!
関連記事:衝動・思考・行動をコントロールして怒りと上手に付き合っていく
目次
「べき思考」とは
「〜するべき」という自分自身の考えに対する囚われ
怒りの真の原因とも呼ばれる「べき思考」ですが、これはどのようなものかというと、「〜は〜をするべき」、あるいは「〜は〜をすべきではない」という考え方になります。僕たちが特定の誰かに対して、あるいは特定の行為に怒りを覚える時というのは、大抵の場合が自分の中にある「べき思考」に反していたり、裏切られたと感じる時です。
この「べき思考」を全人類が共有していたら非常に助かるのですが、人はそれぞれ成長の過程において、異なる「べき思考」を身につけて社会と関わってくるので、やはり衝突が起きてしまうんですよね。
「私の常識は、あなたにとっての非常識」
こんなことがあるので、やはり自分が持っている「べき思考」を認識しておく必要がありそうです。
人生経験を通じて形成される
「べき思考」というのは、人生経験を通じて作られていきます。蛙の子は蛙ということわざもありますが、まず最初に影響を受けるのは親の考え方や行動からです。その後、義務教育や高等教育を受ける過程で得た知識や経験によって、多様性が生まれてくるものなんですね。
もちろん、書き換わることもあります。学園ドラマなどでよく見られるテーマでもありますが、大人を信じられなかった生徒が先生との信頼関係を築いたり、その逆もまた然りです。
「べき思考」は一度形成されたら終わりではなく、変化していくものでもあるわけですね。
その「べき思考」は正しいのか
「べき思考」は文化や信条、習慣によってある程度は共通したものではありますが、細かい部分は個人によって異なることが多いことを学びました。つまり、絶対的な正解を決めるのは難しいということです。例えば、喫煙に対するものですね。
最近では禁煙や分煙などのマナーが徹底され、飲食店でも禁煙や分煙のお店が増えてきました。しかし、居酒屋などでは依然として喫煙が許されているところも多くあります。
「食事の場ではタバコを吸うべきではない」
と考えている人の隣で、
「タバコは楽しいひと時を過ごすために我慢すべきではない」
と考えている人がいたとすれば、やはりなんらかのトラブルが起きそうなのは想像に難くないかと思います。怒りを上手にコントロールするためには、「べき思考」が持つ特徴をしっかりと押さえておきましょう。
「べき思考」が持つ4つの特徴
1. その人にとっては全部正解
最初の特徴として、「べき思考」を持っている人にとってはそれが全部正解だということです。ちょっと恐ろしいことですが、たとえ反社会的な考え方であったとしても、その人にとっての「べき思考」であるなら、それはその人にとって正解になってしまいます。
最近はパワハラやセクハラというように、弱者を守る風潮が強まっていますが、かつては「目下の者は何をされても我慢するべき」という考え方があったんですよね。なので、パワハラやセクハラで訴えられた人の中には、自分が訴えられるなんて思ってもみなかったという人が多いのは、本人にとってその行動が正解だったからです。
本人にとって正解だということは、僕たちも知らず知らずのうちに誤った信条の下で行動をしているかもしれないということです。思わぬトラブルを避けるため、また自分が誰かに対して怒らないためにも、「べき思考」を把握しておくことは大切ですね。
2. 人によって程度は異なる
同じ「べき思考」を持っているからといって、その考え方に対してどれくらいの強度を持っているのかは人によって異なるという点も重要です。例えば、電車に設置されている優先席問題について考えてみます。
仮に、3人の人がそれぞれ「優先席に座るべきではない」という考えを持っていたとしても、その強さはバラバラの場合があります。
- 自分が不調だったら座っても仕方がない
- 周りに誰もいなければ座ってもいい
- 何があっても健康であれば座るべきではない
この時、②の人は周りに誰もいないからといって優先席に座るかもしれません。そうした場合、①の人は②の体調が気になるでしょうし、おそらく③の人は②に対して怒りを覚えるでしょう。
こうしたように、同じ「べき思考」だったとしても、それぞれの信念の強度が異なることも押さえておきましょう。
3. 時代によって変わる
すでに書いた通り、パワハラやセクハラという問題は、かつてはそれほど大問題として扱われていませんでしたよね。また、喫煙に関してもそうで、昔のドラマのシーンではオフィスで喫煙をしている場面が当たり前のように出てきます。
このように、昔は一般常識として許容されていたことが時代によって通用しなくなるということがあるわけですね。
僕の実家は自営業のため、「知らない人でも元気に挨拶をすべきである」と祖父母や両親から言われて育ちましたが、今は物騒な世の中でもあるので、「子供は知らない人に挨拶すべきではない」と変わったそうです。
少し寂しい気もしますが、それが時代の変化なんですね。
4. 立場によって変わる
子供の立場から親の立場へ。若手からベテランへ。様々な状況で、立場が変わってきます。「べき思考」の中には、そうした立場の変化によって変わってしまうこともあるんですね。
中学時代の野球部で、僕たちが新入生として入部した時、とても優しくて面白い2年生の先輩がいました。その先輩は3年生からは可愛がられ、1年生だった僕たちからは慕われ、こんなに優しい人がこの世にいたんだと思ったほどです。
「部活動はみんなで楽しくやろう!」と語っていたその先輩でしたが、3年生が引退し、自分が新キャプテンに抜擢された途端、今までとは別人のように厳しく、常にイライラしている姿が目立つようになりました。
おそらく、キャプテンという責任のある立場になり、彼の持っていた「べき思考」が変わったんですよね。このように、人の持っている「べき思考」は立場によって変わるということがあるので、何かのきっかけで人は変わるんだということも押さえておきたいところです。
べきの見つけ方
アンガーログをつける
「べき思考」を見つける方法としては、まず自分がどんな時に、どんな相手に対して、あるいはどんなことに対して怒りを覚えるのかを把握していく必要があります。そのために書くのがアンガーログですね。
アンガーログはその名の通り、怒ったことを記録するものですね。自分が怒りを覚える時はどんなパターンが多いのか、それを知ることが最初の第一歩です。
書く内容ですが、イラっとした時、なるべくその場で直感的に記録をする方がいいようです。この辺りは衝動のコントロールも必要になってきそうですね。
▼衝動のコントロールに関しての話は以下の記事に詳しく書いていますのであわせてどうぞ!
関連記事: カウントバックとストップシンキング|怒りへ衝動的に反射しない
アンガーログで書く項目とは
アンガーログには、以下の項目を書くことが大切です。
- 日時・場所
- できごと
- 思ったこと、感情
- 相手に望んだこと
- 自分の行動
- 結果
- 怒りの強さ
これらを書き出すことで、怒りを客観的に見ることができますし、言語化することができますね。
べきログで深掘りする
アンガーログを書いたら、次はべきログです。なぜ自分が怒ったのか、そして、その怒りの背景にはどんな「べき思考」が隠れていたのかを探ってみましょう。
自分が持っている「べき思考」は、相手の言動、あるいは自分の言動、感情などに隠れているものです。そうして考えていくことにより、自分が普段認識していない「べき思考」に気づくことができるかもしれません。
不要な「べき思考」は書き換える
そして重要なことですが、「べき思考」は書き換えられるということです。認識していない時は難しいかもしれませんが、自分が認識することができれば、自分の生活を難しくさせるような「べき思考」を捨てることができます。
もちろん、人生経験によって形成されてきた信念とも言える「べき思考」を簡単に捨てることは難しいかもしれませんが、何度も意識をすることで、少しずつ書き換えられていきます。
まとめ
以上、「べき思考」について学ぶことができました。
「べき思考」は人それぞれ異なったものであり、その人にとって全てが正解、かつ強度も様々という特徴があるのでなかなか難しいと思いました。しかし、アンガーログやべきログを書いていくことにより、少しずつ思考をコントロールしていけるので、これからは意識して自分の怒りとその原因に対して向き合っていこうと思いました。
最後に、「べき思考」が持つ特徴4つを復習して終わります。
- その人にとっては全部正解
- 人によって程度は異なる
- 時代によって変わる
- 立場によって変わる
「べき思考」とうまく付き合い、怒りを上手にコントロールしていきましょう。
それでは、また。
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