どうも、海馬(@Transtier)です。
アンガーマネジメントを習得するためには、そもそも「怒り」とはどういう感情なのかを理解する必要があります。怒りというのは人間に元来備わっている4つの感情である「喜怒哀楽」に含まれる通り、自然な感情ですね。
自然な感情である以上、無理やり抑え込もうとするのはアンガーマネジメントでは間違っていると考えられています。怒りの感情が人間に備わっているのはなぜなのか、そして怒りのメリットとデメリットについて今回は書いていきたいと思います。
目次
怒りは自分を守るため
怒りとは【防衛感情】
怒りの感情は防衛感情とも呼ばれています。読んで字のごとく、自分の身を守るために存在している感情で、人間だけではなく野生の動物にも備わっている感情ですね。
怒りというと真っ先に人間が思い浮かんでいましたが、よく考えると動物の方が怒りの感情をむき出しにしているシーンが多いですよね。ライオンやトラなどの肉食動物が恐ろしい顔をして牙をむき出しにしている姿はすぐに目に浮かびますし、身近な犬や猫も怒れば唸り声と牙で威嚇をしてきます。
この野生動物にも備わっている怒りの感情は、1929年にハーバード大学医学部教授のウォルター・B・キャノンによって提唱された「闘争・逃走反応」を学ぶことで理解しやすくなると思います。
闘争・逃走反応とは
闘争・逃走反応とはその名の通り、動物が危険な状況に出会った時、生き延びるために闘うのか、それとも生き延びるために逃げ出すのか、どちらかの反応を示すというものです。これもテレビではよく見るシーンですよね。
僕が真っ先に思い浮かべるのが、オス同士の権力争いや縄張りに入り込んできた別の種類の動物などです。まずお互いに威嚇し合うことで戦闘を避けようとしますが、それでも相手が引かない場合は戦闘が始まってしまいます。仮に相手が逃げ出せば、戦闘には発展しません。
闘ったり、逃げるためには体を臨戦態勢にする必要があります。怒りの感情によって副腎髄質からアドレナリンを放出させ、身の危険を守ろうとするわけです。
大切なものを守るための怒り
野生の動物たちは弱肉強食の世界に生きていて、常に死と隣り合わせという世界に生きています。野生動物が怒る場面を次のようにまとめてみました。
- 自分の生命に危険が及びそうな時
- 自分の縄張りが侵略されそうな時
- 自分の子供が襲われそうな時
これらをさらに一言でまとめるなら、自分が大切にしているものが侵害されたり、危険や脅威にさらされていると感じた時に怒りの感情が生まれるということですね。
人間が怒る時
自分が否定された時
人間社会は野生動物のように、命が危険にさらされるという状況はあまりありませんよね。野生動物に比べたら安全な生活を営んでいる僕たちなのに、どうしてそんなに怒っているのでしょうか。
僕たちが怒る時の重要なポイントとして、”自分が否定された”と感じる時が挙げられると思います。おそらく人間は動物よりもかなり強い自我を持っているので、その自我を否定されたと感じる時に強い怒りを覚えますよね。
怒りは大切なものを守るために生まれると先ほど書きましたが、人間にとって自分自身というのは誰よりも大切な価値観ですよね。自分らしく生きたい。それを親や友人、会社の同僚や上司などから否定されると、大切な自分自身を失ってしまうような気がしてしまうからでだと考えられます。
自分の立場や権利が脅かされた時
自分の立場や権利が脅かされそうな時というのも、人間が怒る場面としてよくありますよね。立場というのは後から入ってきた人に評価が負けそうな時であったり、組織の中での立場や人間関係での立場です。
また、自分の権利が脅かされそうな時というのは、例えば車の運転時によく感じます。無理やり割り込んでくる車や、なかなか車線に入れてくれない時など、やはりイライラしがちです。それは自分が本来享受できるはずの走行できる権利(そんなものがあるかは不明ですが)が横取りされたと感じるからなのかもしれないなと。
無理やり割り込まれた時は、車という所有物の危険や自分自身の身の危険を感じることなど、別の要素もあるかもしれませんが、やはり大切な何かを守るために怒るというのは僕たちの生活においても身近なものなんですね。
自分の子供に対して怒る
親が自分の子供に対して怒るというのも、日常生活でよく見られる光景です。これにはもしかすると2つの側面があるのかなと思いました。
まず、子供が言うことを聞かないことで自分の考え方が否定されたと感じたり、思うような行動ができなくなってしまったという観点からの怒り。
また、子供が危険な目にあったり、危険なことを思想になった時の怒りです。これは自分の大切な子供の安全が脅かされそうになった時の怒りですね。
怒ることのメリット・デメリット
怒ることのメリット
僕たちは怒ることに対して、どちらかというとネガティブなイメージを持っています。まず、怒ることのメリットはどんなものがあるのでしょうか。
モチベーションやエネルギーになる
よくあるのが、負けた悔しさやバカにされた怒りをバネにして、さらに高みを目指すというものです。怒りをコントロールし、自分を動かすエネルギーにすることができれば、かなり有利ですよね。
漫画の世界ではよく、主人公が怒りによってレベルアップするシーンが描かれています。僕たちには”気”も”霊力”も”オーラ”もありませんが、”意志力”はありますよね。
その意志を高めるために、怒りを活用できるなら、怒りは大きなメリットとなります。
真剣さが伝わる
社会人であっても、子供であっても、誰かから怒られるというのは嫌なものです。しかし、相手が本気で怒ってくれているなら、その真剣さや必死さは伝わりますよね。
逆に、僕たちが本気で相手に何かを伝えようと思うのなら、怒るくらい真剣に訴えることも大切なのかなと思いました。
怒ることのデメリット
怒ることのデメリットは、ほぼ人間関係に帰結しそうです。
人間関係が悪化する
相手を責めるような怒りは、相手を正当化させてしまうことになります。また、部下や同僚に不必要な怒りをぶつけてしまうと、信用を失うことにもつながります。
人間関係が壊れるというのが、怒りの最大のデメリットですね。
場の雰囲気が悪くなる
ドラマだけではなく、現実でもよくありますが、上司が機嫌悪そうにしていると、チーム全体が重い雰囲気になるというものですね。上司でなくても、誰かひとりでもイライラしていれば、その苛立ちは全員に感染してしまいます。
僕は現場管理をしているので、自分がメンバーの前でイライラしないということは重要なことだと思いました。そして、もしメンバーがイライラしているようであれば、個別に呼び出して話を聞くなど、メンバーのアンガーマネジメントもできるようになりたいですね。
体に悪い
怒ることがストレス発散だとばかりに、常に怒っている人がいますが、彼らはそれでストレス発散をできているわけではないんですよね。むしろ、依存症と同じでどんどん強い怒りを覚えるようになってしまうようです。
怒りはそもそもとっさに臨戦態勢を取るための感情なので、常に怒っているというのは常に体を臨戦態勢にしているということです。アドレナリンは血管を収縮させ、心拍数を速くします。その状態が体にいいとは思えませんよね。
適度な怒りはいいですが、過剰な怒り感情には注意が必要です。なおさら、アンガーマネジメントはとても重要ですね。
まとめ
以上、防衛感情と言われる怒りの感情とはどういうものなのか、そして怒りのメリットとデメリットについて書いてきました。
人間や野生動物にもともと備わっている感情なので、怒りは不要なものではありません。場合によってはメリットとなりうることがわかりました。
しかし、みだりに怒りの感情を乱用すると様々な弊害がデメリットとして挙げられることも事実です。怒りを我慢するのではなく、コントロールし、必要な怒りと不必要な怒りの線引きができるようになりたいと思いました。
それでは、また。
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