どうも、海馬(@Transtier)です。
人が怒りを感じるのは、目の前で何かが起きた時だけとは限りません。何かを思い出して怒りを感じるという経験は誰もがあると思います。
僕も仕事中、つい過去にあった嫌な出来事が浮かんできてしまい、そこから意識をそらすことができず、そのままイライラしてしまうということが何度もありました。執念深い性格なのか、かつて受けた仕打ちや言葉で許せていないことがたくさんあります。
過去のことに怒りを覚えるというのは、百害あって一利なしの怒りですよね。人間が変えられるのは「いま、ここ」に起きていることだけだからです。
今回は過去の怒りに過剰反応しないためのテクニックを2つ紹介します。グラウンディングとマインドフルネスについて、書いていきたいと思いますので、ぜひ読んでみてください。
目次
過去や未来に対して怒ると感情が大きくなる
過去に感じた怒りに対して
過去に怒りを感じた出来事を思い返していると、どんどん怒りの感情が大きくなっていくという経験をしたことがある人は多いかと思います。例えば人から嫌なことを言われたとして、
- 「なぜ自分がそんなことを言われなければならなかったのか」
- 「相手に対して言い返してやればよかった」
など、怒りの出来事を何度も反芻してしまうと、その分怒りの強度が高まっていきます。人間の脳は想像と現実の区別がつかないと良く言われていますが、想像というのは人間の体に大きな影響を与えます。
ホラー映画を観て心拍数が上がったり、恋愛ドラマを見てドキドキするのがいい証拠ですよね。現実ではないものに対して、体は反応してしまいます。つまり、頭の中で怒りの場面を再生していると、体は常に怒りの状態になっているということですね。
現実であれば、怒りを感じる出来事は一瞬だったかもしれませんが、頭の中ではその瞬間を長く引き伸ばしたり、リピート再生することだってできるわけです。そのため、過去の怒りを考えている時は怒りの強度が強くなりやすいんだそうです。
未来へ向けた怒りに対して
同様に、未来へ向けた怒りも強くなる傾向があります。これは嫌なことを言われた相手に対し、
- 「今度会ったらこう言ってやろう」
- 「相手はどうせまた嫌なことをしてくるだろう」
というように、ネガティブな考えを持ってしまうからですね。こちらも実際に言い返したり、暴力を振るう場面を想像するだけで、人間の体はアドレナリンが放出されてしまいます。
心拍数が上がり、カッとなるのは、気持ちいいことじゃありませんよね。
人間の想像力は偉大
このように、人間の想像力というのは非常に強力です。身近な例で例えるなら、小説や漫画を原作とした実写映画や実写ドラマが失敗しやすいということが分かりやすいかもしれません。
小説には登場人物や情景の描写があり、僕たちは読むときにそれを想像します。漫画であれば、声を想像したりしますよね。
実写化は制作側の想像力によって創られていきますが、それは他人の想像による産物であるので、やはり自分の想像と違っていたといってガッカリすることが多いようです。実写化に成功している作品というのは、ある意味で誰もが共通の想像をしやすい作品、あるいは製作者の想像力が僕たちの想像力を凌駕した作品とも言えるのかなと。
少し話が逸れてしまいましたが、人間の想像力には物凄いパワーがあるので、コントロールする必要があります。過去や未来に向かっている思考を「いま、ここ」に集中させるテクニックが、これから紹介するグラウンディングとマインドフルネスです。
グラウンディングのテクニック
グラウンディングとは
グラウンディングとは、地面に置くという意味です。思考が「いま、ここ」にない状態にある時、考えが浮ついているという表現をしますよね。その思考をしっかりと地に足がついた状態にさせるためのテクニックだと言えます。
目の前にある物に意識を集中させることで、怒りから意識をそらすテクニック
目の前にある物というのがポイントですね。
グラウンディングのやり方
グラウンディングのやり方はいたってシンプルで、目の前にある物を徹底的に観察をすることです。そうすることで、怒りから意識をそらすことができます。
例えば目の前にあるペンを手に取り、徹底的に観察してみましょう。
- ペンの形はどうか
- どんな材質でできているか
- ペン先や本体は汚れていないか
- 傷はついていないか
- 重さはどれくらいか
- 触った感触はどうか
自分の視点を「いま、ここ」に集中させるために、目の前にある物を観察することで、過去や未来から自分の頭を切り離すことができます。怒りの感情が生じてから、理性でコントロールできるようになるまではおよそ6秒かかると言われていますので、怒りを落ち着かせる効果がありますね。
見るものが無ければ手相を見てみる
目の前の物を徹底的に観察ということですが、めぼしいものが見つからない場面もあるかもしれません。そんな時は、自分の手のひらを観察してみるのもオススメです。
手相占いができなくても、手のシワがどこからどこに向かって走っているのかを追うだけで意識をそらすことができますし、手の色は刻々と変化していくので面白いです。
次のマインドフルネスに近いですが、手のひらは熱を感じたり、血流が集まったり引いたりといった感覚がわかりやすいので、怒りを思い出したら手のひらを見るというのもいいかと思います。
マインドフルネスのテクニック
マインドフルネスとは
マインドフルネスの定義は次のようになります。
「いま、この瞬間に体験していることに意識を向け、評価をせずに、とらわれのない状態で五感を使って感じること」
過去に起きた嫌な出来事を思い出してしまう「思い出し怒り」がどんな時に起きるかというと、やはり無意識に行動をしている時が多いかと思います。例えば単純作業をしている時だったり、運転をしている時などに動作とは関係のない考え事をしている時を自覚する瞬間があるかと思います。
その時は自分の行動と意識が乖離しているわけですね。「思い出し怒り」はそのような時に生じます。そこで、自分が行なっている動作に集中させるのがマインドフルネスなんですね。
マインドフルネスのやり方
マインドフルネスは「いま、この瞬間に体験していること」に意識を向けるテクニックです。もし、お風呂に入っている時に「思い出し怒り」を感じてしまうなら、以下のことに意識を向けてみます。
- お風呂の温度はどのくらいか
- 浴槽の中で浮力を感じているか
- 水の抵抗を感じるか
- 湯気を吸い込んだ時の感じ方はどうか
などを意識することにより、意識を「いま、ここ」に向けることができますね。歯磨き中であれば、歯ブラシが口の中でどう動いているのか、歯磨き粉の味は、辛味の感じ方はどれくらいか。
このように、普段無意識で行なっていることに意識を向けることにより、意識を怒りから切り離すトレーニングとなります。
利き手と反対の手でやってみる
さらに強力に行動へ意識を向ける方法があります。それは、普段利き手でやっていることを反対の手でやってみることですね。
歯磨きを反対の手でやってみたり、ドライヤーを持つ手を反対にしてみるのもいいかもしれません。ただ、包丁を反対の手で握るというのは危険でやめた方がいいと思います。
利き手では無意識にできてしまうことが、反対の手でやるとかなり意識をしなければなりません。時間を決めて取り組むことで、脳トレにもなるし、怒りをコントロールすることもできるようになるので、一石二鳥ですね。
歩行瞑想(マインドフルネス瞑想)
マインドフルネス瞑想というと座って行うイメージが強いかもしれませんが、歩行瞑想といって歩きながら行う瞑想もあります。散歩中に怒りを思い出してしまった時などに行うと効果的かと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
以上、過去や未来の怒りにとらわれそうになったら、ぜひ試したいアンガーマネジメントのテクニックであるグラウンディングとマインドフルネスについて書いてきました。
過去や未来の怒りというのは僕たちの想像力によって何倍も強力になってしまうので、意識をそらすことが必要です。グラウンディングとマインドフルネスを簡単にまとめると、次のようになりますね。
- グラウンディング:目の前の物を観察する
- マインドフルネス:自分の体験に意識を向ける
このテクニックを使い、思い出し怒りに振り回されないようにしていきましょう。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。少しでも参考になれば嬉しいです。
これからも学んだことや役に立つことを書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、また。
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