どうも、海馬(@Transtier)です。
コーチングの基本となる考え方は”組織目標の達成と人材育成の両立を目指し、理想の職場づくりを行うこと”であるということを前回の記事で学びました。
前回学んだ内容では、コーチングはメンバーの主体性が非常に重要な鍵を握っているということでした。そこで今回はメンバーの主体性を引き出すためのアプローチについて学んでいきたいと思います。
目次
メンバーの主体性が重要
そもそも主体性とは?
主体性とは何を示しているのかというと「自分がそう思ったからやる(やりたい)」という一言に尽きるのかなと思います。少し固く言うなら、どんな状況においても自分の意思や判断に基づいて行動する態度ですね。
人から言われたことだけをやるのではなく、自分が任されている仕事が全体の中でどのような意味を持っているのか。取り組む意味や求められている結果は何なのかということまで理解し、自ら考えて行動しようとする姿勢とも言えます。
主体性のあるメンバーに育てる
仕事がなくなった時、作業者を観察していると、自分から何かやるべきことを探して動けるタイプと、逆に指示を受けないと動かないタイプがいます。コーチングで重要になるのは、自分の意思で行動できる主体性を引き出すということですね。
自発的に相談してきてくれるようなタイプというのはこちらも教えがいがありますし、一緒になって考えていこうという気になります。そういう環境や関係ができていれば、メンバーもやりがいを持てるのではないかと思います。
多くのメンバーと切磋琢磨していけるような関係性を構築できるように、コーチングについてさらに学んでいきたいですね。
内発的動機付けができている
主体性のある人の特徴を学んでいた時、僕は以前に書いたモチベーション維持に関する記事を思い出しました。人のモチベーションには内発的と外発的があります。
内発的というのは”自分が成長したりやりたいと思うことをやるというモチベーション”であり、外発的というのは”何かをやったら報酬がもらえると期待するモチベーション”でした。
- 内発的:テストで良い点を取れるようになるのが楽しいから頑張る
- 外発的:テストで良い点を取ったらお小遣いをもらえるから頑張る
簡単に表現をするならば、このような違いがあります。外発的はコントロールが簡単な分、報酬によってモチベーションが左右されますし、持続しません。一方の内発的は非常に強いモチベーションとなりますが、コントロールしづらいという特徴がありました。
このような違いを考慮した上で、主体性のあるメンバーへ育てていくためのアプローチについて学びます。
内発的動機付けと外発的動機付けについては以下の記事で説明をしていますので、よければご参考まで。
メンバー・オリエンテッド・アプローチ
メンバー重視のアプローチ
コーチングにおいてメンバーの主体性を引き出すために用いられるアプローチがメンバー・オリエンテッド・アプローチです。オリエンテッドは「〜志向」や「〜重視」といった意味があるので、いうなればメンバー志向型アプローチということになるでしょうか。
主役はコーチではなく、メンバーにあるという考え方によるアプローチですね。メンバーについて深く理解し、メンバーの立場に立って行うコーチングです。
メンバーの個性を知る
このアプローチの重要な点が、メンバーの個性をしっかりと把握するということです。個性というのは性格だけではなく、能力や興味の方向性、どのような考え方を持っているかなどが含まれます。
この重要性については、僕も実体験があるのでよく分かります。
チームの中にひとりで黙々と現場作業をやっているメンバーがいました。立場的に次のステップに進んでもらいたいと思い、在庫管理や他のメンバーへもっと自信を持って指示を出してみてはどうかと話しました。結果どうなったかというと、これまでパソコン作業をしたことがなかったそのメンバーは努力してパソコンでの在庫管理を覚え、高度な仕事ができるようになりました。
しかし、他のメンバーへの指示という点はやはり苦手なのか興味がないのか、あまり変化がありません。メンバーの個性を見極め、コーチとしてメンバーにどのような領域で成長してもらいたいのか。また、メンバーがどんな働き方をしていきたいのか。
そういったことをしっかりと1対1で向き合って進めていく必要がありますよね。
コーチ・オリエンテッド・アプローチ
コーチの都合を優先しない
メンバー重視のアプローチに対して、こちらはコーチ重視のアプローチです。自分の都合を優先してメンバーと接することですね。
先ほどの例を挙げるなら、僕がメンバーに期待した”他のメンバーへ指示を出す”ということも僕の都合でのアプローチだったのかもしれません。自分とは違ったタイプの人間に対し、相手の個性をしっかりと把握し、相手の立場に立って考えることが大切だということを胸に刻みます。
自分の当たり前を相手に求めない
僕はもともと事務仕事をメインでキャリアを積んできているので、物流現場の人に仕事を教える時はほぼ自分とは異なるタイプの人が多いです。僕にとっては当たり前のExcelや英語での仕事ですが、メンバーにとっては難解なものに映るようです。
ただし、逆に言えば現場仕事を軽々とこなしているメンバーにとっての当たり前は、僕にとっては非常に困難な業務だったりします。自分にとっての当たり前は、他人にとっての非常識。
自分の物差しでメンバーを判断せず、相手の立場に立って考えることが大切なんですね。
組織目標の達成が大前提
ただし、メンバーの望んでいることが組織目標の達成から逸脱しているようであればそれを認めるわけにはいきません。コーチングの基本として”組織目標の達成と人材育成の両立”が挙げられているわけなので、コーチとしては見定めていく必要がありますよね。
自分がメンバーにどうなってほしいのか、メンバーがどのように成長していきたいのか。その辺りの折衝については、経験を積んで学んでいきたいと思います。
まとめ
コーチングで重要な鍵となる”メンバーの主体性”を引き出すためにはメンバー・オリエンテッド・アプローチが有効であるということを学びました。改めてまとめるとするなら、
メンバーの個性を把握し、メンバーの立場に立って支援する
となりますね。組織目標の達成と人材育成の両立。
この2つを達成する為にも、コーチとして組織目標を達成する為にはどのような人材が必要なのか、そしてどのようにメンバーに成長してもらうのか。その点について、引き続きコーチングを学んでいきたいと思います。
それでは、また。
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