消費者志向のマーケティング2.0|「STP分析」は細分化と差別化のフレームワーク

どうも、海馬(@Transtier)です。

前回の記事で製品志向のマーケティング1.0について学びました。現代でも重要な考え方である「4P分析」は製品志向の時代に誕生したもので、需要が供給を遥かに上回る時代背景から、どのような製品をどのくらいの価格設定で販売し、どのように流通させ、顧客へ宣伝するのかという4つのポイントから考える手法でした。

今回は時代が進み、競合が増えて価格競争が厳しくなった時代、つまり消費者志向のマーケティング2.0について、前回同様マーケティング初心者向けに書かれている『コトラーのマーケティング見るだけノート』で学んだ内容を元に学んだ内容について書いていきたいと思います。

 

消費者志向のマーケティング2.0

競合が増えて価格競争が厳しい時代背景

モノが不足していて、企業がモノを作れば作るだけ売れた時代1900年代前半も過ぎ、1970年代に入ると、経済が豊かになり競合他社が生まれてきました。現代であれば、同じような製品を扱う会社は複数あるのが当たり前ですが、この時代はまだまだ競合という概念がそれほどなかったようです。

そうなると、企業が作りたいモノを作っていた時代から、「顧客が求めるものは何か?」という買い手側の時代になっていったんですね。消費者というパイを奪い合う時代とも言えます。そこで顧客を分析する新たなフレームワークとして登場したのが、「STP分析」でした。

 

STP分析は「細分化」と「差別化」

STP分析はSegmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)の頭文字を取ったものです。

Segmentation「細分化」

STP分析のSはSegmentation、つまり細分化になります。何を細分化するのかというと、マーケティングの対象を絞っていくことになります。市場全体を相手にするマスマーケティングではなく、売りやすい対象を絞っていきます。

細分化するために必要なのは主に以下の4要素です。

  1. 人口動態変数(デモグラフィック変数)
  2. 地理的変数(ジオグラフィック変数)
  3. 心理的変数(サイコグラフィック変数)
  4. 行動変数(ビヘイビア変数)

Targeting「ターゲットとする市場」を決定

市場を細分化した後、そこから参入すべき市場を決定するのがTargetingです。成長性や市場規模などを考慮して決定していきます。ここでマーケティングにそれほど詳しくない僕でも聞いたことのある言葉として、ブルーオーシャンレッドオーシャンなどが出てきます。

レッドオーシャンは競合ひしめく市場であり、血で血を洗うような厳しい市場のことを指しています。言い換えると、凶暴なサメがひしめき合っていて、お互いに殺し合っているようなイメージでしょうか。

一方のブルーオーシャンは競合が少なく、平和な市場のことを指します。こちらは競合が少ないので、過度な競争も起こりません。ベンチャーなど資本力が少ない会社はこういったブルーオーシャン戦略を取ることを推奨されていますね。

しかし、ブルーオーシャンはそもそもの市場規模が小さ過ぎている為、競合が入ってきていないだけという可能性もあり、そこに拘りすぎるとビジネスチャンスを逃すことになるかもしれませんね。

Positioning「自社の立ち位置」を決める

最後に、市場において競合他者との立ち位置を明確にする為にPositioningを行っていきます。Targetingで決定した市場に対し、自社の製品が競合と比べて優れているのはどの点なのかを明確にすることで差別化を図っていきます。

競合に比べて品質が高いのか、価格が安いのか、特殊な機能があるのかなど。このように製品の個性を際立たせることで、競合他社ではなく自社の製品が欲しいと思ってくれる消費者へアプローチをすることができます。

 

Segmentationの4要素

Segmentationの際に挙げた4つの要素ですが、さらっと通り過ぎてしまったので改めて紹介しておきます。

人口動態変数(デモグラフィック変数)

「人」に関することで細分化していきます。性別、年齢、収入、職業、学歴、家族構成、その他の要素などによって細分化していくことで、例えば30代前半の未婚男性会社員に向けたサービスというように、ピンポイントで狙いを定めることができるようになります。

地理的変数(ジオグラフィック変数)

「土地」に関することで細分化していきます。日本でいうなら国や地方、県、市町村など、地域特性があるかどうかを考慮して細分化しますし、世界に目を向けるなら大陸によってや気候の変化、宗教的な慣習なども変わりますし、人口密度なども異なってきますよね。

心理的変数(サイコグラフィック変数)

人間が抱く「心理状態」に関することで細分化していきます。大衆向けの商品を好む人と海外製品を好む人、あるいは高級志向でブランド物を好む人など、価値観や趣向について細分化することができます。

行動変数(ビヘイビア変数)

「購買行動」に関することで細分化していきます。最近だとビッグデータというように、誰がどういう時にどのようなものを買ったのかということがデータとして収集されています。曜日や時間帯によってどのようなものを特定の消費者が購入しているのかなどを追っていくことで細分化することができます。

 

まとめ:セグメンテーションがとても重要

以上、コトラーが提唱したSTP分析について学んだことを書いてきました。3つの分析において、もっとも重要なのはセグメンテーションなのではないかと思いました。

ここで市場をうまく細分化できていないと、その後のターゲティングやポジショニングがうまくいかないからです。セグメンテーションにも4つの要素があるということを学んだので、実際に僕がマーケティングを担当することになった時はぜひ活用してみたいと思いました。

終わりに

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。この記事の内容が少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。

これからも学んだことや役に立つことを書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

それでは、また。

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