どうも、海馬(@Transtier)です。
先日、新しい作業者がチームに加入しました。倉庫内作業は以前も経験があるということで、経験者として飲み込みが早く、すぐにチームの戦力となってくれました。
しかし、前職での経験を引きずってしまい、現職での作業ルールを忘れて作業を行った結果、残念ながらミスが発生してしまいました。それにより、他の作業者たちも含めてルールの再周知を行いましたが、その時にふと疑念が浮かんできました。
作業者の中には、標準作業のルールを理解せずに行っていたり、省略したりしている人がいるかもしれない。いわゆるルールの形骸化が起きていた場合、やはりミスを減らすことはできませんよね。
そこで今回は「形骸化」について書いていきたいと思います。
目次
形骸化はなぜ起こるのか
まず初めに形骸化という言葉の意味を明確にしていきましょう。
形骸化とはどういう意味か
形骸化という言葉のなかには骸(むくろ)という漢字があります。骸は「亡骸(なきがら)」という言葉に使われるように、ストレートに表現してしまうと「死体」のことえすね。
形骸化というのは、明文化されたルールや決まりがあるにも関わらず、実際は形だけしか残っていないこと、すなわち「ルールの死体」とも言えるかもしれません。
形骸化の例
仕事中におけるミスの原因として、ルールの形骸化というのは少なからずあります。たとえば僕が働いている倉庫業では作業者によるピックミスがたまに発生しますが、そのほとんどが標準作業を行っていないことに起因します。
ピックしたモノを梱包する前に再度確認する、ハンディツールに数量を入力するのは数えて箱にモノを入れた後に行うなど、標準作業にはこれまでのミスの傾向を踏まえた対策が含まれています。
それを作業者が実施しなかった場合に、ミスにつながってしまうわけですね。
形骸化してしまう理由は?
本来はしっかりと目的があって設定したはずのルールが、なぜ形骸化してしまうのか。大きく分けて2つの要因があると考えられます。
ルールが手間だと感じてしまう
ミスがあると確認作業が増えるため、どんどん作業工数が増えていくというのはどこの現場でもありますよね。本来ミスが無ければ必要なかった確認事項が、ミスが発生する度にどんどん増えていくことになります。
ただし、通常作業を行っていても毎回ミスをするということではなく、100回に1回のミスを防ぐための確認手順だったりするわけです。逆に言えば、99回は確認をしなくてもミスをしないということになり、それでもミスが発生しないと作業者が考えると、ルールが形骸化してしまうことになります。
リーダーが追跡調査をしていない
先述したルールの形骸化理由は作業者に起因したものですが、もう1つの理由は我々リーダーポジションにある人間に起因したものです。我々はミスの原因が何なのかを突き止め、再発防止を目指したルールを設定するものの、そこから実際に作業者が実施しているかを追跡調査する機会を持っていない場合が多くあります。
作業者を逐一観察するわけにはいかず、ある程度は作業者は信頼して任せているのですが、それでも定期的に作業者がルールの重要性を理解し、実施しているかを確認する必要性がありそうです。
ルールを形骸化させないためには
作業者へルールの目的を定期的に周知する
ルールを形骸化させないためには、作業者へルールが設定された背景や、ミスの事例などを定期的に伝え、目的を知る機会を持つ必要があるということです。特に作業者の入れ替えがあった時など、新しい作業者は実際にミスを目撃しておらず、他人事のように考えてしまいがちです。
作業手順が決まった背景にはどういったミスがあって、その結果どういう対策をすることに決まったのか。朝礼や昼礼の時間など、短くてもいいので定期的に作業者へ確認の意味をこめて周知する必要があるのではないかと思いました。
ルールを定期的に見直す
作業者へルールを周知するのと同様、あるいはそれ以上に重要なのがルールの定期的な見直しです。ルールを作った時はミスが起きたという焦りや不安から、過度な対策を設定してしまっている可能性があるからです。
10000回に1回のミスを防ぐために、過度な確認作業を設定していたとしたら、コストパフォーマンスは非常に悪いですよね。現場作業ではミスをしないことが1番大切ですが、同じく生産性を高めることも求められます。
生産性を作業者が求めるゆえにルールを無視されるのであれば、ルールを見直して最適化することも検討した方が良さそうです。
まとめ:ルールの周知と見直しを行うこと
以上、ルールの形骸化について書いてきました。
ルールの形骸化を防ぐためには、作業者にはルールの本来の目的を周知し、実行してもらうことが大切です。同じく、リーダーや管理者の立場としては、そのルールが現状に即したモノであるかを判断し、最適化していくことが求められるのではないかと思いました。
作業者に「ミスをしないように気をつけろ」という根性論をぶつけるだけでは作業者が萎縮してしまいますし、真因が解決されなければミスも減りません。かといって、過度なルールを作業者に課しても形骸化してしまう可能性が高いです。
ルールの周知と最適化、そのバランスを保ち、ミスの少ない現場づくりを目指していきたいですね。皆さんもぜひ、職場や身の回りのルールについて改めて見直してみてはいかがでしょうか。
終わりに
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。この記事の内容が少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。
これからも学んだことや役に立つことを書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、また。
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