どうも、海馬(@Transtier)です。
皆さんはインポスター症候群という言葉をご存知でしょうか。僕はその言葉を会社の教育資料の中で初めて知りました。インポスターというのは「詐欺師」という意味だそうです。
最初にこの言葉を聞いた時は、特殊詐欺グループに加担してしまうような人たちが陥る心理状態かと考えましたが、実際はまるっきり違っていました。インポスター症候群というのは、周りから受けている評価に対して自分の実績が劣っていると感じ、まるで周りを騙しているような罪悪感や不安感を持ってしまう心理状態のことを指すようです。
今回は誰もが陥る可能性のあるインポスター症候群について、書いていきたいと思います。
目次
インポスター症候群とは
自分の成功を肯定できない
仕事や学業で人よりも成果を上げているのに、周りが自分を課題評価していると感じてしまうのがインポスター症候群の代表的な心理状態です。実際に能力が高く、評価に見合うだけの証拠があるにも関わらず、自分は詐欺師であり他人を騙して不当な評価を得ているのではないかという罪悪感をもってしまうことが特徴です。
かの有名なアルバート・アインシュタインもインポスター症候群のような悩みを抱えていたと言われています。
誰でもなる可能性がある
インポスター症候群に陥りやすい人はどのような特徴があるのかを調べると、人種や性別、年齢、職種などに極端な偏りは見られず、誰もがインポスター症候群になる可能性があるということがわかっているようです。強いていうならば、マイノリティなバックグラウンドを持ちながら成功した人というのが共通点として上げられるかもしれません。
アメリカではアフリカ系アメリカ人などの有色人種の方が経験する確率が高く、また社会的に成功した女性も経験しやすいそうです。
理由としてはアファーマティブ・アクションという、ざっくり言えば待遇改善などの社会的是正処置のサポートを受けたことにより、成功できたのだというように考えやすくなってしまうからだと考えられています。
ただし、70%の人は人生で少なくとも一度はインポスター症候群のような感情を経験すると言われていますので、やはり誰でもなる可能性があると思っておいた方がよさそうです。
なぜ「騙している」と考えてしまうのか
他の人もできるものと考えてしまう
インポスター症候群の「他人を騙している感覚」というのはどこから来るのでしょうか。いわゆる成功者や能力が高い人というのは、「他の人も自分と同じくらいできるものだ」と思ってしまう傾向があるそうです。これを聞いた時、納得してしまいました。
人は自分の長所と短所をうまく認識できないという話があります。特に自分が当たり前にできていることは他人も当たり前にできるのだと思ってしまいやすいことがあります。
自分も他の人も同じくらいの能力なのに、自分が評価されているのは周りを騙していい評価をうけているから。そういったロジックにより、正当な自己評価を行えなくなっているようです。
インポスター症候群による周りの弊害
インポスター症候群に陥っている当人が辛いことは言うまでもありませんが、それによって周囲はどのような弊害を受けるのでしょうか。インポスター症候群となる人は、能力が高く、勤勉である人が多くいます。
しかし、自分の能力は実際よりも課題評価されていると感じることにより、たとえいいアイデアや仕事の成果があったとしても、それを出すことによって本当は能力が低いことが相手にバレてしまうことを恐れ、共有しなくなってしまうことがあります。アメリカの作家、マヤ・アンジェロウは以下のようなことを話していました。
私はこれまでに11冊の本を書きましたが、その度ごとに、「ああ、これで私がみんなを騙していたことが、ばれてしまう」と考えました
ライバルにとっては喜ばしい状況かもしれませんが、組織や業界にとっては大きな機会損失となってしまいますよね。
インポスター症候群を克服するためには
友人や知人に打ち明けること
インポスター症候群を克服するためには、脳の認知処理を変える必要があります。友人や知人に自分が抱えている不安感や罪悪感を話したり、同じくインポスターの経験があるということを共有したりすることにより、気が楽になると考えられています。
多くの人がインポスター症候群に陥る可能性があることは先述しました。だからこそインポスターの感覚は自分だけじゃないのだと知ることはとても重要ですね。
いい評価を思い返し、記録すること
ある科学者は自分が所属している研究室で生じる問題はすべて自分のせいだと思い込んでいました。自分が科学者として評価されているのはおかしいと考える反面、うまくいかないのは自分のせいにしていたんですね。
しかし、インポスター症候群という症状があることを知った上で、研究室で生じた不具合の原因を毎回記録することにしました。すると、問題のほとんどが研究機材の故障によるものだと気がつき、自分が原因ではないとわかり、自分の能力を認められるようになったそうです。
まとめ
僕自身はインポスター症候群という言葉を初めて知りましたし、今のところ自分の評価が他人を騙しているという認識を持ったことはありません。それはまだまだ自分が成長していきたいと考えているからであったり、立場もまだまだ発展途上だったりということもあるかもしれません。
しかし、自己肯定感を高められているからとも言えるのではないかと思いました。最近は『ハーバードの人生を変える授業』で出される課題である「感謝すること」を続けています。
すると、自分の周りは感謝すべきことに満ち溢れていて、そして自分はその恩恵を受けるに値する人間だという感覚が心の底から湧き上がる瞬間を感じるようになりました。もしインポスター症候群かもしれないという不安を感じる方がいたら、ぜひ人に打ち明けてみたり、感謝ノートを作ったりすることをオススメします。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。この記事の内容が少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。
これからも学んだことや役に立つことを書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それでは、また。
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