【恒産なくして恒心なし】孟子の信条から学ぶ|一攫千金を狙わず、資産を築くこと

どうも、海馬(@Transtier)です。

恒産なくして恒心なし】という言葉を僕が最初に知ったのは、2013年に松本清張賞を受賞された食堂のおばちゃん作家こと山口恵以子さんのインタビュー記事を読んだ時のことでした。

すでに作家として活躍をされていた山口さんが、なぜ食堂の仕事を続けているのかと問われた時に、答えたのが【恒産なくして恒心なし】でした。人は安定した収入や資産がなければ、安定した精神状態を保つことができないという意味ですが、最近、僕は特にこのことを実感しています。

今回はこの言葉について学んだことや、一攫千金について考えたことなどを書いていきたいと思います。

 

恒産なくして恒心なし

出典は孟子から

この言葉はもともと中国の思想家である孟子が、政治は人々の生活安定を守ることが基本であり、その必要性を説いた言葉だとされています。

「恒産無くして恒心有る者は、ただ士のみ能くするを為す。民の若きは即ち恒産無ければ、因りて恒心無し(一定の生業が無くても安定した道義心を持つことができるのは、学問修養のできた士だけである。一般の人は生活が安定しなければ、安定した道義心を持つことができない)」

つまり、その日暮らしのように不安定な状況下では、安定した精神状態を保つのが難しいということですね。食堂のおばちゃん作家と呼ばれていた山口恵以子さんが、小説家になり、松本清張賞という大きな賞を受賞しても食堂の仕事を続けていたのは、まさにこの恒産を得るためだったわけです。

孟子の時代から言われるように、人が安定した精神状態を保つためには、安定した収入が必要なんですね。

収入がないと不安になる

今は外資系物流企業でオペレーション・マネジャーとして働いていますが、僕は一時期、現実逃避のためにイギリスへ滞在していたことがあります。その時は観光ビザでイギリスへ上陸したのですが、観光ビザで滞在できる最長期間の6ヶ月を申告したところ、不法入国や不法就労を疑われ、イギリスの入国審査官に1時間近く英語で詰問されたことを今でも覚えています。

イギリスの知人宅へホームステイをすると言っても信用してもらえず、そのまま強制送還されそうな一歩手前で知人と連絡がつながり、なんとか入国を許可されました。今となってはいい話のタネですが、その当時は本当に不安で怖かったですね。

僕は日本でウェブライターの仕事を受注していたので、イギリスに滞在をしながらフリーランスのウェブライターとして活動をするつもりでした。しかし、実際には思うように記事を納品することができず、悪戦苦闘しましたね。

定期的に収入が入ってこないのに、生活費でどんどん口座の残高が減っていく。それを見るたび、不安で押しつぶされそうになりました。

今は会社員として楽しく働いている

一度フリーランスで働き、その大変さを嫌というほど学ぶことができたので、今は会社員として働き、安定した収入を得られることにとても感謝しています。僕は自由になりたくてフリーランスを目指しましたが、僕は組織の枠を外れた自由を謳歌することはできませんでした。

レールがない道を作り出すフリーランスという働き方に憧れていましたが、人には向き不向きがあるんですよね。僕が会社員に戻り、大きな変化として感じたことは、日々の生活に対する焦りを感じなくなり、不用意に一攫千金を狙わなくなったことでした。

 

自由の違いに関しての話は以下の記事に詳しく書いていますのであわせてどうぞ!

関連記事: 会社を辞めて自由を求める前に考えてみよう

 

一攫千金を狙わない

一攫千金とは

一攫千金とは、「苦労せずに巨額の利益を得ること」であり、いわゆるギャンブルに近いものですよね。一攫とは「ひとつかみ」という意味であり、少しの苦労で大きな利益を目指そうとするものです。

一攫千金には人生を一発で逆転させるような魅力があります。その為、安定した収入がなかった時は、そういった一攫千金を目指せる話をとても魅力的に感じていました。

例えばイギリスのコンビニなどでは、日本よりも気軽にスクラッチくじを買うことができました。体感ではありますが、日本のスクラッチくじよりも当たりやすかったと思います。最高で20ポンドが当たりましたが、結果としてはそれ以上の金額を使ってしまったことに後で気がつきましたが、その時はスクラッチくじを買わない方がリスクだと考えていました。

冷静な考えを失っていたことが明白ですね。

非現実的な利益を追うものからはお金は逃げていく

最近、僕のマネーリテラシーを高めてくれた本で、とても気に入っている本があります。以前にも記事で紹介をしましたが、『バビロン大富豪の教え』という本ですね。

その中に、次のような黄金法則が書いてありました。

非現実的な利益を出そうとしたり謀略家の甘い誘惑の言葉にのったり己の未熟な経験を盲信したりするものからは黄金は逃げることになるだろう

この言葉を目にした時、過去の自分がどれだけお金を無駄にしてきたのかを知り、非常に反省しました。非現実的な利益とはまさに一攫千金のことであり、手にしようとして使ったお金の方が結局大きな損失となってしまったからです。

コツコツ積み上げていくことが重要

『バビロン大富豪の教え』を読み、社会に出た時にこの本と出会っていればと思わされるほど、とても勉強になりました。その本の中で最も重要な教えの1つに、「収入の10%を貯めて残りの90%で生活せよ」というものがあります。

たった10%であっても、コツコツと積み上げていくことで、それは大きな資産となっていきます。そうして築かれた資産は、今回のテーマでもある「恒産なくして恒心なし」の恒産となりうるんだと思います。

 

バビロン大富豪に関しての話は以下の記事に詳しく書いていますのであわせてどうぞ!

関連記事 バビロン大富豪の教えから学ぶ|手取り収入の10%は貯蓄に回そう

 

将来のために恒産を築こう

安定した収入より資産を貯えること

2020年はコロナウイルスのパンデミックにより、望むと望まないとに関わらず、変化を余儀なくされています。先ほど、会社員は安定した収入を得られるが、フリーランスは不安定だという書き方をしましたが、それももはや正しくはないかもしれません。

僕の周りからも休業によって収入が減少した会社員や、対面販売ができなくなってしまったフリーランスなど、様々な人がこれからの生活を見つめ直す時が来ているのかなと思います。

これからは安定した収入がいつ無くなってもいいように、ある程度の資産(恒産)を貯えておく必要性を強く感じています。

積立NISAやiDeCoなども活用

僕もまだまだ詳しくはないですが、先ほど紹介した『バビロン大富豪の教え』による10%貯金の他に、精度ができた時から積立NISAや会社で加入してくれているiDeCoを活用し、コツコツと資産形成を進めています。

この辺りについても、いずれさらに勉強し、みなさんと共有できれば幸いです。

 

まとめ

以上、【恒産なくして恒心なし】という言葉について学び、一攫千金を目指して後悔したことなどについて書いてみました。

イギリスで恒心をなくした経験は、消し去りたい記憶ではありますが、あの当時の辛い思いがあるからこそ、今は真剣に前を向いて進めているんだと思っています。安定した収入という意味での恒産は、今後の世界では難しいかもしれません。

だからと言って、一攫千金を狙うことは結局のところ、いま持っている資産さえも失くしてしまう恐れがあります。それなので、安定した資産を築くことを目指してみてはいかがでしょうか。

何事もひと足飛びに何かを成就させようとするのではなく、コツコツと積み重ねていくことが大切なんだと思います。

それでは、また。

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海馬
「無知の知」を自覚し、学び続けています。 増やした知識が単なる記憶の蓄積とならないように、ブログ「知識の海から」を立ち上げました。 学んだことや考えたことをアウトプットしていきます。英語が好きで、独学でTOEIC955点。英国と米国に滞在経験あり。2020年秋に産能大学卒業予定。学べる環境に感謝。